風船に吊られる意識

背骨を整える座り方でも少しだけ触れましたが、座っている時、立っている時、そして歩いている時に頭の天辺が風船に吊られている意識を持つと良いかと思います。

多くの方に「良い姿勢をとってみて下さい」とお願いしますと丸まった背中を伸ばして、胸を張ります。

ご自身では身体が真っ直ぐになったと感じる様ですが、腰を反ることで丸まった背中を真っ直ぐにしたつもりになっていたり、不自然に肩甲骨を寄せることで胸を張ったりとしています。

このようなやり方で姿勢を正そうとする方は腰や背中に痛みを抱えていることが多いです。

身体を整える歩き方教室では繰り返しになりますが、頭の天辺(百会)が風船に吊られる意識を持つようにお願いしています。

※余り頭頂の前で吊られる意識を持ってしまうと顔が上がってしまうので、百会を意識して下さい。百会とは両耳から伸びた線が頭の中心で交わるところです。

かなり強く吊られる意識で行う方もいらっしゃいますが、余り頑張り過ぎますと全身が緊張してしまいます。

風船で軽く引っ張られている意識で、力を抜いて行います。

風船に吊られる意識をすることで、自然と首筋は伸び、背中も伸びてきます。また無理に腰を反ることもなく腰の負担も軽減されます。

段々と慣れてきましたら風船の紐が身体の中まで通っている意識を持つことで、身体の軸を感じることが出来る様になります。

吊られる意識ですと鉛直方向(縦方向)の軸だけですが、身体の中に軸を意識することで掃除や荷物を持ち上げる様な時に、中腰で身体が斜めになっていても身体に軸が通り、腰や背中に負担を掛けない動作が出来る様になります。

身体に痛みや症状を持っている方は普段の姿勢や動作から痛みのある部分に負担を掛けていることが多い為、その痛みや症状を繰り返させない為に、風船に吊られる意識を作って頂けたらと思います。

背骨を整える座り方も参考にして頂いて、身体の中の軸を感じてみて下さいね。