骨で立つ

ヒトの骨格はほぼ筋肉に頼らずに立つことが出来る構造をしています。

書籍を調べると関節の位置が正しければ、骨の形と靭帯などの張力で立つことが出来るとそうです。

最低限の筋肉とは脹脛の筋肉であり、筋電図で調べると活動しているそうです。

頭で理解しようとしても難しいので、身体を整える歩き方教室の参加者の方には実際に体感して頂いております。

痛い姿勢を真似してみる

私は患者さんの痛みや症状がなぜ?出ているのかを確かめる為に、患者さんの姿勢や動作を真似したりすることがあります。

すると力んでしまう筋肉や負担の掛かる関節に気が付くことが出来ます。

直ぐに痛みとして感じることが出来れば良いのですが、何となく違和感がある程度なので多くの方が気が付かずに、痛みや痺れなどの症状が出るまで放っておいてしまうのですよね。。


体操教室の参加者には「痛みは痛くなる格好や動作をしているから出るものですよ」とお伝えさせて頂いております。

多くの方の場合に運が悪いからではなく、痛くなるべきして痛くなっていると言うことです。


体操教室では実際に何処かに痛みを感じている参加者さんの姿勢を皆さんに真似して頂くことがあります。

痛みのある場所は事前にはお伝えしないで、姿勢を真似することで緊張してしまう場所や違和感のある場所をじっくりと内観して頂きます。

内観とはご自身の身体の内にある感覚を注意深く観察することです。


そして真似した姿勢でいると、どのように感じるかを伺いますと

「腿に力が入ってしまう」
「膝に圧迫感を感じる」
「腰が重い感じ」
「背中が張る」など

の感想が出たりします。

それらの感想を聞いた真似された方はかなりビックリされたりもします。

実際の教室で真似された方は普段から辛い腰や膝の痛みだけでなく、体調が悪い時に出る腿や背中の痛みまで一致してしまったことに驚いた様子でした

痛みや症状が出ているところに原因があると思われている方が多くいらっしゃいます。

テレビや雑誌などで姿勢が大切であることは頭で分かっていても、結局は膝が痛いのは膝が悪いから、腰が痛いのは腰が悪いからと言うように痛みのあるところにだけ目を向けている方が殆どです。

少しでも多くの方に誤った姿勢や動作から来る痛みが多くあるということに気付いて頂けたらと思います。

実践編

最終的には一人で内観し、骨で立てる様になって頂きたいところです。


体操教室では二人一組になって練習していきます。


骨で立つ実践者は先ず自然に立ちます。


パートナーは相手の腿や膝などに手を触れて緊張を確認します。


自然に立った状態を確認すると、かなり色々な場所に力が入っていることが分かります。


パートナーは手の平で実践者の筋肉の緊張をモニターしながら、実践者は足の裏の意識を変えたり、骨盤の位置を変えたりします。


すると筋肉が緊張したり弛緩したりするので、緊張した部分や弛緩した部分を擦ったりタッピングしたりしながら声かけて、実践者に伝えます。


脚全体の緊張が抜ける姿勢を見つけ出します。


上手くいくとフワッと一瞬で腿やふくらはぎの緊張が抜けます。


この姿勢を覚えることで、骨で立つことが出来るようになります。


そうすることで筋肉は最低限の働きで良くなり痛みや凝りを予防出来るようになります。


感じる力が強まりますと様々な動作にも応用できるようになります。


無駄な力を抜いてカバンを持てたり、掃除をしたり、重たい扉を開けたりと様々なことに活用できます。


この骨で立つことの重要性は太極拳の稽古で気が付いたことなのですよね〜。


上手く人体の仕組みを活用することで、より楽に力強く動くことが出来ます。


書籍には最低限の筋肉についてふくらはぎと記載されていましたが、実際に行った感じでは腹圧のコントロールも重要となってきます。


所謂、体幹のインナーマッスルをコントロール出来ることが大切です。


これは背骨を整える座り方や正しい立ち方の最初の部分で練習していくところです。


ただ立つと言うことを内観するととても楽しいものですよ。


電車の待ち時間や友人との待ち合わせなど隙間時間を使って練習するととても充実した時間になるかと思います。